動画の構成と垂直同期信号

前章で述べたのは、1枚の静止画を、その一部だけ受け取った場合でもいかに画像として解釈できるかということでした。

しかし静止画でなく動画の場合は、さらに難しくなります。

というのは、動画とは静止画を時間的に何枚も並べることで構成できますが、その際に走査線の始まり(ラインの左端)だけがわかっても、今度はそのラインが、静止画の中でどこの場所なのかがわからないからです。

この時に使うのが、垂直同期信号あるいはVシンク信号です。

これがどういうものか、図を使って説明しましょう。

左上はHシンク信号を入れて認識できるようにした静止画を、時間方向に積み重ねて動画にしたことを示しています。

動画を構成する各静止画をフレームといいます。

フレームをラスタスキャンし、あるフレームの最後の行に続けて次のフレームの最初の行を持ってくることで、動画は走査線の時系列となります。

走査線自体がデータの時系列ですから、結局動画とは、データの時系列ということになります。

右上はそんな時間的に隣接したフレームのうち、あるフレームの途中から次のフレームの最後まで、データ(走査線列)を受け取ったことを示します。

動画なので2つのフレームの内容は少し異なっています。

すなわち画面の一番下が少しずつ暗く(画素値が小さく)なっています。

しかしデータをフレームの途中から受け取ったので、これだとどこが画面の一番上なのか認識できません。

これは走査線の開始データを示すHシンク信号がないと各ラインの左端がわからないのと同じ理屈です。

一方左下は、フレームの開始走査線を「全データ0」と定義し、そういった走査線をVシンク信号とした動画(フレームの時系列)です。

前章でデータの値は1~9と仮定していますし、Hシンク信号は走査線の左端だけですから、「全データ0」というラインは本来は存在しないはずです。

だからこそ逆に、それがVシンク信号になりうるのです。

こういうVシンク信号のついた時系列がくれば、たとえフレームの途中からそれを受け取り始めたととしても、次のフレームの冒頭でVシンク信号を検出できますから、そこが一番上の走査線とわかります。

すなわちそれ以降を動画として構成できるわけです。

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