IT時代に画像処理が注目される理由
画像処理とは、静止画や動画から何らかの情報を取り出す処理です。
それにより画像がみやすくなったり、少ない情報量で表現できたり、あるいは何らかの解釈や判断を行ったりするわけです。
ある意味では、人間の網膜や脳も画像処理を行っています。
しかしここではコンピュータやそれを組み込んだ機器で行うものに限定しましょう。
それにしても、かなり歴史の長い技術です。
そもそも初期のコンピュータの大きな目的の一つが、カメラのレンズの光学計算でしたから、その意味ではコンピュータの歴史そのものに近いといえるかもしれません。
その後は、レーダがとらえた画像の解析、航空機からのリモートセンシング、ビデオ信号処理、医療画像処理、半導体検査など、産業分野で大規模な画像処理が注目を集めてきました。
最近ではロボット工学も、画像処理の大きなアプリケーション分野になっています。
ただ、パソコンとインターネット、さらに携帯電話やデジカメを中核とした1990年代以降のIT環境の中で、画像処理はさらに身近な技術となっています。
デジカメで撮った画像をパソコンでさまざまな形に加工するソフトが普通に売られています。
テキストの検索から始まったWWW(ワールドワイドウェッブ)の世界でも、画像表示が実現されています。
カメラつきケータイによる二次元バーコードからの情報インプットも画像処理(認識)の一つといえます。
個人使用ではありませんが、一般のオフィスにおいても、画像処理は身近なものになっています。
セキュリティの分野で生体認証が大きな柱となっていますが、指紋や血流や虹彩などのパターン認識にしても、顔認証にしても、技術的には画像処理にほかなりません。
オフィスに不可欠といえる複写機やプリンタの分野でも、MFP(多機能プリンタ)化するのに伴い、画像を扱う機能の必要性がどんどん高まっています。
つまり全体的な流れとして、画像処理というものは、専門家が大型コンピュータを用いて行う特殊な処理から、一般のオフィスや個人レベルでパソコンやデジカメや携帯端末などで行える一般的な処理へと広がってきていることがわかります。
1990年代以降、この流れは特に顕著ですが、その背景にインターネットおよびそれに接続できる端末機器の普及があるのは間違いないでしょう。
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